文字数は740字で推定読了時間は約1分半の小説になります。
以下のお話(こちらは約6000字です)と共通するテーマを扱っている部分もあるので、よろしければ一緒にお読みください。
小説「最愛の慈しみ ―― 夏の満月の浜辺での聖女ルリナさまの病気治しとお話会」
https://mikan-nakano.com/saint-lulina-story/
『老師さまの春風(しゅんぷう)の教え』
老師さまがまだ若き日のことです。
「苦しいことも辛いことも善き未来へと繋がってゆく糧なのですよ。」
そう人々に教えられると、ようやく終わった戦争から帰ってきた男に
「あなたは本当の想像を絶する苦しみを知らないからそのようなことを言えるのだ!本当の苦しみを知ればそのようなことは言えるはずがあろうか!」
と言われました。
その男が征って帰ってきた戦争が起きたときに多くの国中の若い男が兵士としてとられました。しかし、老師さまは体が弱く役に立たないということで兵士にはとられませんでした。ですので老師さまは悲惨な戦場を知らなかったのです。
若き老師さまは自分が言ったことを悔い改められました。
他にも
「苦しいことや辛いことは前世を含む過去の過ちの償いのためにあり、償いを通して人は成長してゆくのですよ。」
そう人々に教えられると、ある母に
「子どもを産む女が苦痛を味わうのは女が悪いことをする者だからでしょうか?だいたい前世の私とは誰でしょうか?そのような人がいたとしても他人ではないでしょうか?」
と言われました。
既にお亡くなりになられていた老師さまのお師匠さまは前世の記憶を持たれていました。しかし、老師さまご自身はというと前世の記憶など持たれておりませんでした。
若き老師さまは自分が言ったことを悔い改められました。
そして歳をとられた老師さまは
「皆さんの苦しいことや辛いことがたとえ天からの試みや罰だとしても、私はそれを今直ぐにでもすべて取り去ってあげたいです。そして、皆さんが試みや罰からではなくて優しいことから優しいことを学べることを願っています。たとえ、それを天がゆるしてくださらなくとも。」
このように今は教えられています。


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